ブレインテックとは
ブレインテックは、脳科学の分野にテクノロジーを活用したサービスなどを意味します。海外では、ニューロテックと呼ばれることもあります。脳活動のデータを使うことで、ヘルスケアやマーケティングの分野、コンピュータ等の操作(BMI:Brain-machine Interface)などで注目されています。
ブレインテックの産業化とそのエコシステム創造をミッションにする「ブレインテック・コンソーシアム」では、下記の様にブレインテックを定義しています。
ヒトと社会を作っている脳というシステムをターゲットとする技術のことをブレインテックと呼んでいます。脳科学という言葉は、1997年に理化学研究所に脳科学総合研究センターが設立された時に初代センター長であった伊藤正男先生がつくられた言葉です。脳科学総合研究センターはそれまでの神経科学に閉じることのない、広範な人間理解のための科学としての脳科学を目指していました。
引用元:ブレインテック・コンソーシアム FAQ
ブレインテックの活用事例
ブレインテックを応用したヘルスケアの分野では、脳波の検出することでリラックス状態や緊張状態をモニターし、睡眠の質を高めたり、健康的な心理状態を維持するのに役立つマインドフルネスなどのサービスがあります。
医療の分野でも、認知症の予防などで、脳科学の知見が実用化されています。
ハコスコのブレインテック事業「GOODBRAIN」
また、広告を見た時の脳活動を可視化することで、広告効果の検証が可能になったり、脳活動をモニタリングすることで教育やトレーニングの質を向上させられることが検証されるなど、ブレインテックが関わってくる分野は広がっています。
ブレインテックが注目を集めている背景には、脳活動を測定する技術やAI(人工知能)・機械学習の技術が大きく進歩し、サービス化が進んでいることが挙げられます。
Meta社(旧フェイスブック社)やNeuralink社(ニューラリンク, テスラ社の創業者であるイーロン・マスク氏が起業した会社)などの巨大IT企業がブレインテックの研究開発に力を注いできました。さらに、先進諸国を中心とした国家による巨額の投資も加速しています。日本の三菱総合研究所は2024年のブレインテックの市場規模を5兆円程と予測しています。
ブレインテックを使用すると、これまでは可視化できなかった、細かい人間の内面の活動を解読することが可能になります。また、脳波を使って念じるだけで機械やコンピューターを操作することも可能で、このBMIにより既存のデバイスや機械と人間の関わりにも、大きな変化が生じることが期待されています。
例えば、寝たきりの人や腕から先が欠損してる人でも、高度なBMIを使うことができれば、PCを使った活動や自動車の運転、義手を高度に操作することなども可能と考えられています。
上述のNeuralink社は、猿がBMIでピンポンゲームに興じる動画を公開しています。動画前半は、猿がスティック型のコントローラーを使用していますが、動画後半はBMIでゲームを操作しています。
脳波の計測方法や脳活動データ活用のプライバシーや倫理面など、ブレインテックには課題もありますが、中期長期的な視点では、頭で描いたイメージをそのまま他者に伝えられるといったイノベーションも期待でき、今のインターネットのように広く社会に浸透することが期待されています。また、インターネットなどの既存のサービスも、そのインターフェース(情報入力)が大きく変化することで、サービスそのものも大きな変化が起きることが予測されます。
現在、手頃な価格と手軽な装着だけで脳波を計測できるデバイスが発売されています。ブレインテック分野のグッドブレイン事業を運営するハコスコ社(以下、当社)でも、複数のブレインテック関連の製品(脳波デバイス)を発売しています。
脳波デバイス
FocusCalm™
FocusCalm™は、脳波を計測する脳波デバイスです。専用のアプリを利用して脳波状態をコントロールすることによって、日々のストレスを軽減し、脳のパフォーマンス向上を図ることが可能です。自宅で取り組める内容のトレーニングや瞑想などのアクティビティを揃えています。
販売価格: 32,000円(税込) (アプリのご利用には別途、利用料が必要です。iOS/Android対応)
アプリ利用料:
・月額1,050円/年額7,600円(税込)
・買い切り(永久利用)18,000円製品ページはこちら
Muse2
Muse2はリアルタイムに脳波の状態や心拍数、呼吸、体の動きを測定し、アプリを通して瞑想フィードバックを得ることが可能な脳波デバイスです。NASAやマサチューセッツ工科大学でも利用された実績があり、ストレス軽減・睡眠改善・集中力アップといった日々の生活の質を向上させることが可能となります。
メーカーはカナダのトロントに本社を置くInteraXon Inc.です。
販売価格:39,900円(税込)製品ページはこちら
NextMind
NextMindは、脳の視覚野の電気信号を読み取り、入力コマンドへと変換する最先端のウェアラブルデバイスです。
脳の活動が実際の行動へと変換され、様々なデジタルオブジェクトを頭の中でリアルタイムに制御することが可能となります(DEV KITに含まれているSDKを利用)。NextMindエンジンは、1秒未満単位で神経信号を分析および解釈します。使用すればするほど直感的になり、思考と行動の間のギャップを減らすことが可能です。
本体重量は60gと軽量で、AR/VRヘッドバンドなどにクリップして装着可能です。センサーは特許技術を利用し、バッテリーは8時間の連続稼働。そして幅広い互換性を備えています。
販売価格:56,628円(税込)
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